連載小説
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開高健先生の男色談義
「開高」菊池寛賞をもらったとき、ホテルで授賞式があった。あるホモの紳士が来てね「好きなんです。一度お会いしたかったわ」と言い出して肩からお尻、背中と撫で回す。とても上手だった。
「田村」見染められたんだよ。
「長沢」ホモは回教圏にも多いですね。
「開高」中国も多い「金瓶梅」なんか両刀使いでノベツまくなし。
「田村」日本は稚児さん。芸者衆が男の名前にするでしょ。あれ陰間から来たんじゃないかな。
「開高」江戸時代の陰間茶屋は今のそば屋の数と同じくらいだったといいますね。
「開高」ドイツのホモ.バーは第一次大戦後らしい。
「田村」まあ、軍隊とか刑務所は男社会だから。
「開高」アラビアのロレンスはトルコの地方総督にお尻をやられたという。
「開高」どの民族がとくにお尻の穴が好きだということはない。
    ある一定の人口に達すれば、必ず、なんパーセントかは後ろへ回りたがる。
「長沢」江戸時代は本当に凄かったようですね。
「開高」江戸時代はほとんど異国文化が入ってきていないので刺激が少ない。
    刺激が少ないと、男の想像力のハケ口がお尻のほうへ向かう。
    井原西鶴が「男色大鑑」なんて世界に類のないホモ文学を堂々と書いたりする。
「開高」パリでも二ューヨークでも、ホモの集まっているとこへ行くとジャン.ギャバンをトラックのタイヤでひきつぶしたような顔つき同士が、ニコーッとしながら座っているのをよくみかける。渋好みって奴らしいけど。
「田村」ここにジャン.ギャバンに似た人がいるよ。
「開高」ニューヨークで聞いたけど、40、50でにわかに目覚めるのもいる。
    妻も子もあるのが急にホモになったりする。
    ニューヨークみたいに条件やデータが豊富な所へ行ったら分りませんよ。
24/11/10 18:16更新 / 勘助
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